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裁判所は、兵士の暴力行為を受けた若者2人に対して200,000バーツの補償金を支払うよう、首相府に命じた。
 
2012817
ディープ・サウス・ウォッチ・ジャーナリズム(DSJ)
 
 ソンクラー県裁判所は、国内治安維持部隊(以下、ISOC)を管轄している首相府に対して、2009年に尋問中に兵士に暴力行為を受けた若者2人に1100,000バーツ支払うよう、判決を下した。
 
 2012816日、異文化財団(Muulanithi Phasaam Watthanaatham、英語名:Cross Cultural Foundation)は以下のニュース・リリースを行った。
201289日、ソンクラー県裁判所が、ISOC4管区を管轄している首相府に対して、マサオフィー・クウェンブー氏(20歳)及びアーディン・サーメー氏(14歳)への補償を命じる判決を下した。2人は、戒厳令下の2009511日、ヤラー県ムアン郡サテン準区(タンボン)リム・メーナーム・パッタニー路での尋問中に兵士から暴力行為を受けたとして、損害賠償を求めていた。
裁判所は次のような判決を下した。戒厳令下で兵士による尋問や車両検査が認められているとはいえ、尋問中に2人は負傷した。これは法律に反する行為である。兵士は首相府管轄のISOC4管区に属していることから、首相府が責任をとり、違反に対する補償をおこなわなければならない。マサオフィー氏へは医者が認めた5日間分の欠勤の補償としてヤラー県最低賃金1250バーツからの計上額1,200バーツの支払いを命じる。一方、アーディン氏は就学中であるため、この点についての補償はない。
更に、国民の権利と自由を保障する憲法第32条に則り、兵士が2人に対して行った心身面における権利と自由への損傷に対する賠償金として、1人につき100,000バーツ支払うことを裁判所は命じた。
ニュース・リリースによると、マサオフィー氏とアーディン氏に対して、兵士は蹴る、殴る、銃身で頭、耳元後頭部を打つといった暴力行為をおこない、負傷させた。パッタニー陸軍裁判所の検察官は兵士を刑事告訴し、2009426日に被告は罪状を認めた。パッタニー陸軍裁判所は懲役6ヵ月と罰金2,000バーツの判決を言い渡したが、これまで被告は罪を犯したことがなく、素行も良好であったため、懲役刑については執行猶予2年とされた。その後、本賠償に関わる裁判が行われた。